ほおずきを頂きました。

とても素敵なアレンジメントを頂きました。
ありがとうございます。
主役はほおずき。
私くらいの年代の人だと、
幼い時に一度は、ほおずきの実を揉んで柔らかくして種を出し、
橙色の皮を咥えて、ぷうぷうと鳴らしたことがあるのではないでしょうか。

ほおずきは漢字だと、「鬼灯」と書きます。
仏教習俗であるお盆では、
ガクに包まれたホオズキの果実を死者の霊を導く提灯に見立て、
枝付きで精霊棚(盆棚)に飾ります。

こちらは「ほおずきちょうちん」。
葉脈だけになったガクが繊細で、美しいですね。

作り方は簡単。
ほおずきの実をガクごと、水に浸けておくだけ。
だいたい、4~5日で、皮がゆるゆると溶けてきて、
綺麗に葉脈だけが残ります。

こんなに綺麗で明るい橙色。
今風な表現だと、ビタミンカラーと言うのでしょうか。
太陽を思わせる、活気をもたらす色。

しかし日本では、沈む太陽にほおずきのイメージを当てはめたようです。
日が落ちて闇が来ると、それは鬼が闊歩する時間。
そんな理由から、鬼灯の当て字がついたのでしょう。

鬼。
例えば般若は、女の嫉妬からの悲しみが鬼へとメタモルフォーシスさせていく過程。
若女→泥眼(でいがん)→生成(なまなり)→般若→蛇神
と変遷していく。
能面のそれらはとても怖い顔で、
だから鬼とは恐ろしいもの、と忌み嫌われる。

でも、人を愛するが故に鬼になるというのならば、
それを止めることがだれに出来るだろうか?

日本の鬼、はその根源に
耐え難い深い哀しみ、がある。
それでは、西洋の悪魔は?
多分、悪魔には全てを壊滅させる暴力しかない。
西洋の悪魔は、そう、桁違いに怖いんです。