日没時の江ノ島周辺。
まるで、モネの絵画のような世界。
前回のブログで、
私も流石に「因縁」という現象が実際にある、と
認めるようになった事と、それに関する自分の考えを記しました。
それを決定付け、経験からの対処を考えさせられた事例、
を記してみたいと思います。
あくまでもひとつの例であり、
因縁というものは本当に複雑にからみあい、それを紐解いたり対処するのを見様見真似でする事は大変危険である事はあらかじめ、記しておきたいと思います。
三十路を少し過ぎ、華やかなお仕事をなさっている
才女であり、美貌も兼ね備えたお嬢様を持つお母様が
リーディングにおいでになりました。
お嬢様に結婚したい相手がいるがかなりの年下であり、
しかし交際年月は数年間、と年齢の割には長い。
「私は結婚させたくはないんです、
ほら、おわかりになるでしょ。
結婚とは、家の格式や本人の品位が釣り合うか、
それが大切な事ですよね。」
私は、はい、ともいいえ、とも言わない。
こういう場合、後から
「あのとき、鶴見さんが相槌を打ったから、
私はこういう言動に出たのに!」
といってくる方もいらっしゃるから。
いやいや、それは身覚えが、と言っても埒があかなくなってしまうのは私はも困るので。
「でも、娘はどうしてもどうしても結婚する、
出来ないならば生きていても仕方ないと号泣するんです。
もう、どうしたら良いものか…」
それは確かに考えてしまいますよね。
それではリーディングしてみましょう。
あれ?あれ?うーんうーん(+_+)。
暫くの沈黙のあと、私は思い切って話し出す。
「あの、ですね。
私は因縁とか前世とか、簡単に口にしないんです本来は。
それを理屈にしたら、無理が通れば道理が引っ込む、
ような事もたくさん、生じてしまいますから。
しかしながらですね、今回は敢えて申し上げますね。
お嬢様と、このかなり若い彼は
前世で心中した仲、なんです。
前世ではお嬢様は商家の人妻、彼は年下の使用人です。
だから、引き合ってしまう、離れる事がどうしても出来ないんですね。
この二人にどうしても別れなさいと言ったら、本当に心中してしまいそうです。
ですから、この二人は結婚するしか無いのだと思います。」
「またか、なんですね…」
え?お母様、何か?
「ああ、またかと思ったんですよ。
娘は前の彼氏さんとも、心中騒ぎを起こしました。
瀬戸際で、防げましたが。」
まあ、そうですか。
その方よりも、今度の方のほうがお嬢様にとって本命です。
ですから、実行しないように結婚を許可するしか…
「しかし、娘は見合いもしておりましてね。
私はその人がとても気に入っております。
その人と結婚させたいのです。どうしても。絶対に。
だって、不幸になるのを見て見ぬふりは出来ません。」
うーんうーん(+_+)うーんうーん(゜゜)
カードを繰ってみる。
「うーん。あのですね。
確かに、お見合い相手は裕福だし、学歴も素晴らしい。
収入も、社会的地位も高いです。
その点は、お嬢様も理解しておいでで、
この若い彼と出会っていなかったら、お嬢様はこの方を選んだでしょう。しかし…」
「そうですか、それならばそれでわかりました。
良い答えです。
娘を口説いて、口説いてこの見合い相手と結婚させます。
その後、うまく行かなくなって娘が若い彼と駆け落ちしたら、それは致し方ないと思えます。
とにかく、このお見合いは成功させます。」
あの。お母様。
お母様、このお見合い相手が大変、気に入っておいでですね。
うーんうーん(+_+)言おうか言うまいか。
あのですね、このお見合い相手は
前世のお嬢様が捨てた夫、なんですね。
そして、貴女はその夫の母親だったようですね。
前世で、妻が心中した後で、
親子仲良く、寄り添って暮らしていったようですね。
クライアントさんの目から涙が滴り落ちる。
ぽとぽと。ぽと。ぽと。
嗚咽で、声にならない。
「わかりました。全てわかりました…
娘には、それこそ因果を含めて
お見合い相手と結婚してもらいます。
その後は構いません、好きにさせます。
私は一生、娘婿を支えていきます。」
…今の話をお見合い相手には出来ないけれど、
でも、とてつもなく理解不能な話ではあるけれど、
そうすれば何故か、みんなシアワセであると
それが因縁、というものなのだと、私は理解したのでした。
簡単には使わない、
慎重なリーディングと対処が必要な因縁問題。
非常に難しい技術と、深い知識、人道的観念、宗教意識を必要とする、
「私、鶴見」にしか出来ないリーディングと申し上げて
差し支えないと思っております。