ハードボイルド。


横浜、みなとみらいの公園の池で、
外来種の亀が甲羅干し。
なかなか大きい。
黒光りした甲羅が、生き抜いてきた年月の長さを感じさせます。

明るい日差し、美しい新緑、
柔らかい曲線の中に、対比するような甲羅のごつい存在。
その、ニヒルとも思える存在感に、ふと、
「ハードボイルド」という言葉が浮かびました。

ハードボイルド、とは?

元々、
「ハードボイルド(hard boiled)」という言葉は、
英語で「ゆで卵などが固くゆでられた状態のこと」を指しまさす。
固ゆでの卵は黄身が流れないことから、
恐怖や喜びといった特定の感情に流されず、
精神的・肉体的に強靭で、時に冷酷非情とも言えるような主人公を描いた小説をハードボイルド小説と呼ぶようになりました。

解説によっては、残虐非道さも
ハードボイルドに含めて捉える解釈もあるようですが、
私はそれはちがうだろ!と思いますので、それは却下。

ハードボイルド。
例えば、あの有名な漫画、ゴルゴ13のデューク東郷も、
ハードボイルドの最たるものでしょう。
ルパン三世の、次元大介もハードボイルド。
思春期の男子は皆、ほとんどが
デューク東郷に一時期、メタモルフォシスして
大人の階段を登っていくように思います。

ハンフリー・ボガードでしたかしら?
映画の中の有名な台詞、
昨夜は何処に行っていたの?
「そんな昔のコトは覚えていない。」
明日は、どうするの?
「そんな先のコトはわからない。」

そんなやり取りをなんだか、何処かで聴いたような。
しかも、何回も聞いたような。
うーんうーん、と考えていて、ふと思い付きました。

「ジーザス!」

そう、イエス・キリストは
「右の頬を打たれたら、左の頬を出しなさい。」
「汝、隣人を愛せよ。」
「通行人であれ。」
なんと端的な、どこまでも貫く傍観者の姿勢!

永き年月に渡り、これだけ広く世界に愛されてきた、
ジーザスがスーパースターであったのは、
揺るぎないハードボイルドのシチュエーションから、
もたらされていたのかと、感慨しきりです。

もちろん、私はジーザスを大変、リスペクトしています。