「カイコ」の話。

知人宅で、カイコが羽化しました。
なんて可憐な姿。白無垢の花嫁さんみたい。
絹は本当に素晴らしい素材で、
昔からカイコは「おカイコ様」と呼ばれ、神様として扱われていますが、
悲しい生態である事を始めて知りました。

ウィキペディアでは、
カイコは家蚕(かさん)とも呼ばれる家畜化された昆虫で、野生動物としては生息しない。また野生回帰能力を完全に失った唯一の家畜化動物として知られ、餌がなくなっても自ら探したり逃げ出したりすることがなく、人間による管理なしでは生きることができない。
カイコを野外のクワにとまらせても、餌のクワの葉を探さずに餓死したり、体色が目立つ白であるためにすぐに捕食されたり、腹脚の把握力が弱いため自力で付着し続けることができず、風で容易に落下したりして死んでしまう。成虫も翅はあるが、体が大きいことや飛翔に必要な筋肉が退化していることなどにより、羽ばたくことはできるが飛ぶことはほぼできない。
成虫は全身白い毛に覆われており、翅を有するが、体が大きいことや飛翔筋が退化していることなどにより飛翔能力を全く持たない上、口吻はあるが餌を食べることは無い。交尾の後、やや扁平な丸い卵を約300粒産み、約10日で斃死する。

…とあります。
成虫は口があるけど、食事が出来ないなんて。
しかも、一代雑種までしか繁殖能力が無いそうです。

野生回帰が出来ずに、ヒトの為に働く短い一生。
これからは、絹製品をもっと大切に使っていこうと思います。
儚げな姿に、せめて幸あれと祈ります。