おでんのうた。


猫の遊び道具、「猫トンネル」の向こうから、覗き込むあおちゃん、女のコ、4歳。

今日はとても寒かったので、夕餉はおでんにしようと思い、
具材を買い込み鍋をかけて。
ちくわを切りながらふと、
「そういえば、昔、NHKのみんなの歌で
おでんのうた、というなんだか切ない歌があったなあ…」
と思い出し。ちょっと検索してみましたら、
ありました。

おでんのチクワが恋をした ハンペンむすめに恋をした
おんなじお鍋で恋をした グラグラ煮立って恋をした
チクワの言うことにゃ

ハンペンってすてきだよ 色白で優しくて 食べちゃいたいほど
       ・
       ・
おでんのチクワが恋をした ひとり切ない恋をした
おもいが余ってあふれ出て ダイコンに悩みを打ち明けた

ダイコンの言うことにゃ  

そいつぁ よすがいい 恋なんてものはままならないものさ
        ・
        ・
おでんのチクワはもんもんと それでもやっぱりわすられぬ
つのる思いが重すぎて こんどはガンモにうちあけた
ガンモドキのいうことにゃ

【台詞】「つぐわぁ、おめぇー、わがねな。すとりすて、もんもんとすただって、
なじょぬもなんねぇだ。ほれ。すこす、元気出して、ラブレターでも、けてみろ。」
          ・
おでんのチクワはかきました つのるおもいをめんめんと
かいてやぶいて またかいて とうとうだしたラブレター
          ・
【台詞】 ところがハンペン嬢はラブレターを受け取るなり、親友のこんにゃく娘に
「あんなぁ、うちなぁ、チクワみたいに中身に一本通ってへんのん、好きやないねん。
 どっちかゆうたら、ゲソ巻きみたいなんがええねん。」
          ・
おでんのチクワはふられた みのらぬ恋に泣きました
しょっぱい涙がとめどなく おでんもしょっぱくなりました
そうこうしてるまに お鍋が煮えました
おでんはみんな 食べられちゃいました

静まり返ったお鍋の中で 残っていたのは
チクワの涙だけ
チクワの涙だけ

…なんだか、すごく哲学的で、余りにもシュールではないだろうか…

せっかく作ったおでんを、なんだか食べられなくなった夜でした。