電話に出んわ。


クライアントさんがバイヤーを務める、某有名T百貨店。
毎年、目玉商品のカシミアカーディガンのラインナップ。(宣伝をしている訳ではないのですが。)
綺麗な発色には目を奪われます。
カシミア、シルクのような天然素材は、
非常に有効な「防御服」になります。
嫋やかな鎧、ですね。
更に、色により意味があったり、
好きな色で癒されたり、と選ぶ色でも効果が違う。

例えば、愛されたい時にはピンク。
愛したい時にはマゼンダ。
強く自分を守りたい時や、腎臓が悪い方は黒。
精神不安定にはバイオレット。
友好関係にはペールブルー。
などなど。綺麗に防御出来るのは嬉しいですね。

防御しようと思っても、一度受けてしまったら
なかなか制御が出来ないのは、電話。
接客中はもちろん、出られないですが
ごめんなさい、ほとんど電話には出んわ、です。
ご了承くださいませ。

電話に出た途端に、
「あー、鶴見さん。私です、先日伺った。
でね、鶴見さん、先日聞いた内容を忘れてしまって。あなた、なんて言ったかしら。」

……すみません、私はリーディングした内容はすぐに忘れる主義なんです。

「じゃあ、今から答えてよ。簡単で良いからさあ。」

……いやいや。何が何だかわかりませんし。
私、貴方のマブダチではないと思いますし。

そんなやり取りが苦手です。
サイトの問い合わせメニューからのお問い合わせにしてくださいませ。

今までで一番、困ったのは某有名一族会社の若き専務。男性。
好きな女性に告白(いや、告白ではなくお前が俺を気に入っているのは解っているから、相手してやるよと言ったそうだ)したら、
ご遠慮しますと断られた、あんた上手くいくと言ったろ?
恥をかかせやがって。謝れ。土下座をしろ。

私は謝らなかった。
間違ったことをリーディングしたとは思わなかったから。
貴方の言い方の問題です、と私は言った。

そのクライアントさんは激昂し、切っても切っても電話を鳴らし続けた。二時間。
私も、二時間、
電話に出て、謝りません。と言い続けた。
二時間が経過した時点で、電源が落ちて電話は切れた。
(その間に家族から緊急の電話があったら困るから、私は敢えて電源を落とせなかった。)

その日から、私は「電話に出んわ。」になりました。
どうぞご了承くださいませ。