「木こり」の1日。

新緑の季節。
狭い庭の隠れ蓑も、綺麗な若葉でいっぱいになりました。

昨晩、今日の予約がキャンセルになり、
久し振りの休日となったのですが。
朝、まだ早い時間に姑から内線電話が入り、
「植木屋さんが来ていて、私はなにも知らないし、
おじいちゃんも出掛けてしまってわからない。
まあ、おじいちゃんには何か聞いてもわからないけれど。」

えー。なんてミステリーな朝の挨拶。
私も何も聞いていませんが。
バタバタと一階に下りると、既に玄関前の月桂樹に
長梯子が掛かっていました。
確かに月桂樹は良く育ち、屋根の高さには伸びてしまっていたけれど、
あの木はこの家の主木。(家の樹木の長の役割)
主木を切る際にはやはり、それなりの「許し」を乞わなければならない。
しかも、メジロ(小鳥です)の巣もあったはず。
たいへん!

植木屋さんに聞くと、月桂樹が伸びすぎるから
芯を詰まんで、と頼まれたとの話。
つまり、一番伸びる部分を切り落とすわけで、
それには古来から、簡単ではありますが儀式は必要になります。
何しろ、伸びるところを無理に止めるわけですから。
本来は、植木屋さんはその簡易儀式を知っているはずですが、最近はなさらない方もかなり多く。

私は植木屋さん頼んで梯子にのぼり、
木に移って急いで簡易儀式(祈りです)をして
月桂樹に許しを得て、それから鳥の巣探し。
幸い、メジロは巣立った後で、巣の中は綺麗な状態でした。

小さな巣。
親鳥が、一生懸命作ったのですね。
どうしてこんなに綺麗な放射状に
巣材を組み合わせられるのか、不思議です。
でも、巣立った後で本当に良かった。

さて、それからは
植木屋さんとタッグを組んで、私は木こり状態。
植木屋さんもかなり高齢者でヨロヨロしていて、
しかも耳が聞こえない。
うちは男手が全員、出払ってしまっていて。
全て終わったのが午後3時、
終わった途端に示し会わせたように男手たちが帰宅。
もちろん、舅は植木屋さんを頼んだ事を忘れていました。

仕事が急にキャンセルになったのは
月桂樹が呼んだのかな。
大丈夫、伐られて少し痛みはあっても
芯を詰んでも、枯れないように祈りで護ってあるから。
メジロの巣は
大切な人を守るおまじない。
学芸大学オフィスに置こうと思っています。