鼻血と肛門科。


今日はイースター。
ハッピーイースターを、イースターエッグで祝います。

昨日から急に暖かくなり、花粉が猛烈に飛んだのか、
クシャミや鼻水でなかなか大変な状態に。
出勤前の、やはりクシャミを連発している、33歳の息子にふと、
「そういえば、貴方はそれでも、ずいぶん花粉症が緩和したのかな?」
と聞くと、
「昔は副鼻腔炎がひどかったから、花粉症よりそっちが大変だったよね、鼻血もかなり頻繁だったし。」

そうそう、鼻血!ひどかった、ひどかった…
お陰さまで私は、鼻血の止血はプロ級になりました。
「夜中に救急車呼んだことも、一度、あったよね。」
「そうそう、そしたら救急隊員さんが、お母さん、鼻血で救急車呼ばないでください、って帰ろうとして。幼心に、ちょっと待ってよって思ったよ。」
「その時に、貴方が口の中に溜まってしまった、血の塊を何個も吐き出したから、これは大変、って救急車に乗せてくれて。」
「それで、市民病院だっけ、到着したら若いドクターが来てくれて。」
「その、若い優しそうなドクターが、悲しそうな顔をして、
すみません、僕は当直医ですが、専門は耳鼻科ではなくて、肛門科なんです。でも、穴から血が出ている、という症状は肛門科でも対応していますから、出来る事をしてみますね。
と、大変正直に優しくお話をしてくれたんだよね。」
「それを聞いた時には、幼心に動揺したよ。よく覚えている。」
「でも、とても丁寧に処置して下さったよね。」
「うん。あの時に僕は、絶望が希望へと変わる事を、身をもって知った気がするよ。」

人は、予期せぬ事態から絶望という認識に直面する。
しかしながら、そこに明かりを灯すのは、他者の存在からもたらされる場合が多い。

若い肛門科のドクターの、献身的な対応は
いまも格言化して私と息子の心に灯っています。