おばさんトーク。


江ノ島からの夕陽。真っ赤だな。真っ赤だな。

「ねえセンセイ、もうねえ、私ねえ、鬱なのよ鬱!」
割と元気にマシンガントークをなさる、同年代のクライアントさん。
口調を聞いていると、全く鬱とは思えないけれど、
仕事もなんとかやってるけれど、それでも実際に鬱になっている事はあります。
仮面鬱、というタイプで周囲にはわかりにくい。

「確かに。カードでもしっかり、鬱でかなりスパイラル状態、って出ていますよ。」
顔色も良くないし。ちょっと心配。

「でもねセンセイ、それでも働かなくちゃ、這ってでも働いていかないと…生活出来ないから。」
本当に、生活を維持していくのが大変過ぎるよねえ。
いつまでも、楽になることなんて無いよね。
と、二人でウンウン、と頷きながら、
ざっくばらんに話は進んでいきます。

「最近、花粉症にはなるし、怖ろしいことにまつげがボロボロ抜けるんです。目も腫れてまるで、怪談。」
と私が言うと、いやあ歳だし私たち、とクライアントさん。
「私なんて、抗がん剤でまつげ全部抜けたけど、ほら、ツケマで勝負よ。」
と、鬱でシリアスな話題でありながら、マシンガントークは進む。

「でもね、センセイ、私たちって本当に損な時代に生きてますよね!」
「あ、私もそう思いますね。」
「私たちの時代は職場では呑めばわかるとか、言われる時代でパワハラセクハラモラハラのてんこ盛りの日々。産休育休もとりにくく、辞めれば?みたいな風潮。夫には尽くして舅しゅうとめにはイビられて、意見も言えずに。ねえ。」
ウンウン、ウンウンとお互いに慰め合う。

息子たちが受験の時だって、ねえ、聞いて!
しゅうとめったら、
「かわいいかわいい大切な孫が、電車に乗って高校に通うなんて!なんて怖ろしい!だめだよ、徒歩か自転車で通えないのは危険だよ、途中でトイレに行きたくなったりしたら、どうするんだい?本当にあんたは鬼だね。」
って言うのよ!
おもわず、私が鬼ならあんたは馬鹿だ!と言ってやったわよ。

どひゃー、
でもよくそこまで端的な指摘を義理母さまに…
そんな話も、既に昔話だから明るい、明るい。

来年はかなり良い年になりますよ、仕事も定年以降も続くから大丈夫、とお話して、
ああ良かった。元気もりもりよ、ありがとう。
ね、私たち、いろいろとあっても元気だしていこうね!

そう、私はまだ、銀河鉄道999に乗れる気分だもん。
男はみんな鉄郎。女はみんな、メーテルよ。
この話題、わからない層はかなり多いだろうけど。
SNSでは、○葬反対は年寄りばかり、と一次揶揄されていたけど、いいじゃん。
自分の信念貫くのが年寄りの強みだよね!

今日も花粉症で目が腫れてはいるけれど、
私は意識は元気な自称、初老メーテル。