ミトコンドリア・イブ。


江の島、岩屋そばの「亀石」。
誰を乗せて、どこに泳ぎだしていくのかしら。

生物学の本を読んでいて、
「ミトコンドリア・イブ」という名前にぶつかった。
以下はWikipediaからの抜粋。

ミトコンドリア・イブ(Mitochondrial Eve)とは、人類の進化に関する学説において、現生人類の最も近い共通女系祖先(the matrilineal most recent common ancestor)に対し名付けられた愛称。約16±4万年前にアフリカに生存していたと推定され、アフリカ単一起源説を支持する有力な証拠の一つである。

ミトコンドリアは女性からしか伝わらないため、男性は自分のミトコンドリアDNAを後世に残すことができない。また、女性は自分が産んだすべての子にミトコンドリアDNAを伝えるが、その子らがすべて男性だった場合、彼女のミトコンドリアDNAは孫に受け継がれずに途切れる。もし子に女性がいても、娘が産んだ孫に女性がいなければ、やはりその家系のミトコンドリアDNAは廃れる。つまりある個人のミトコンドリアDNAが子孫に伝わるためには、その間のすべての世代に少なくとも1人は女性が産まれなければならない。

ここで人類のある任意の世代の集団を考えよう。その時の構成員を、ミトコンドリアDNAについてそれぞれがバラバラの家系に属すると仮定する[3]。ここで偶然、ある家系の子孫が男性だけになったとすると、その家系のミトコンドリアDNAはやがて廃れる。逆に、女性が多数産まれた場合、より多くミトコンドリアDNAを残すこととなる。話を単純にするために、仮に人類の総人口が常に安定しているとすると、平均的には各男女から男女ひとりずつが生まれる(生き残り、次の世代を残す)ことになる。しかし実際に一組の夫婦が持つ子供の数は「男女ひとりずつ」を中心に、男性ばかり、女性ばかり、あるいは多数の子供を残す、子供を全く残さない、というようにばらつきを持って分布することになる。これを人類全体として確率論的に捉えるならば、ミトコンドリアDNAの系統は常に減っていくことになる。これを繰り返すと、いずれかの世代では、ミトコンドリアDNAの系統がある時代(ここでは、上に挙げた任意の世代)のひとつの系統に遡ることになる。この時点で、この系統以外の女性のミトコンドリアDNAにたどることは不可能となるが、それ以外の核DNAに関してはこの限りではない。

つまり、現在の人類の母親をどんどんたどっていくと、ある特定の型をもつ女性にたどりつく。同時代には違う型をもつ女性が他にもたくさんいたはずだが、家系図の母系だけをたどるのではなく、母系をたどりつつたまに父系をたどる、のような遡り方をすれば彼女達にたどりつくこともできる。すなわち、その時代のたった一人の女性から「過去から現在に至るまでの歴史上の全ての人類」が生まれたというわけではないのである。

…つまり、
ミトコンドリアDNAという
女性にのみ受け継がれていくDNA、がある。
これを解析していく事により、ヒトの資質までつまびらかになってしまうけど、家系などの証明にはなる。
これを読んで、
以前にもこのブログで書いた覚えはあるけれど、
「おんな紋」を思い出した。

女紋は女性が代々、伝えていく家紋で
嫁ぎ先がどんな家紋を抱えていても、
冠婚葬祭の時には、女紋を染め抜いた紋付きを着る。
私の女紋は「抱き茗荷」である。
(ちなみに、男性家紋は継承はしていくが、気に入らない文様であれば、自分が当代当主であるうちに家紋をすげ変える事は可能になる。例えば、鬼首に流水紋、がイヤで波に千鳥紋に変えたい、と思ったら変えてしまって構わない。)

女文様で、むかしはキツネ憑きの家系か
そうではないか、を判断していた。
そして、キツネ憑きではない家系である証拠の女紋を
むすめに、またそのむすめに、と受け継いでいく。
むすめが産まれなかった場合は、
そこで女紋は途絶える。ミトコンドリアDNAのように。

誰もミトコンドリアとか、DNA等を知らない時代に、
何かを予感して言い伝えを形成していく
ヒトの知恵はまた、DNAの伝える情報なのかしら。
とても興味深く、不思議に思う。

女性であれば誰でも、ミトコンドリア・イブになれる可能性があるという。
ひょっとしたら、貴女もミトコンドリア・イブかもしれない。
その場合、貴女のお母さん、お祖母さんもミトコンドリア・イブであり、
貴女はむすめを産み、そのむすめもまたむすめを産んでいき、ミトコンドリア・イブとなる。

この先、人類が何十万年、何百万年も生き延びていくならば、
その未来からみたら貴女はひょっとしたら、
ミトコンドリア・イブ、
と言われるのかもしれません。