「レイヴン」という名前。

2006年にスイス、バーゼルで開かれたヒーリングコングレス。
今は本体を失いましたが、ドイツ国際ヒーリング協会が主催し、ドイツ語圏を主体としアメリカ、ヨーロッパでヒーリングを定義、提供するボランティア団体であるIAOHが最大規模で開催したコングレスで、私は招聘を受けて参加しました。
そのコングレスの場で出逢ったアメリカンインディアン、シルバーバードが私にくれた「特別な名前」がレイヴンです。

語学は苦手、ドイツ語はちんぷんかんぷんの私には、コングレスでの実施試験や講演、オープンリーディングの時には通訳がつきましたが、それ以外の時は放置。
困っている私をいろいろ手助けしてくれたのが、同じグループでコンベンションをしたネイティブメキシカンのクラウド。
彼は天候を操るシャーマンで、フレンドリーでお茶目なおじいさんで、会場で雲を呼ぶ為に焚き火を焚いてスプリンクラーを稼働させてしまったり(確かに雨は呼んだかな)しましたが、彼と話している時に
「同種の力強いエネルギーを感じる。」と、話しかけてきたのがアメリカンインディアンのシルバーバード。
シルバーバードは小柄なおじいさんで、楽曲を演奏して儀式をおこなうシャーマンでした。

三人それぞれがたどたどしい英語で会話し、シルバーバードが、
あなたが真のシャーマンであるのか、どんなシャーマンあるのか確かめたい。
と言い出しその為にテストをしよう、私は異界に行き違う姿になって隠れているから見つけ出しなさい。
と、一般的に聞いたら大変、とんちきな話を持ちかけられしかしながら語学力が無くイヤだと伝わらず、ギャラリーも増える中、テストは開始。

結果、テストは合格したのですがシルバーバードを異界で追い回した私の姿が、大きなワタリガラスだったそうです。
私は、小鳥があなたをピョコピョコと探しに行きませんでしたか?と聞いたのですがシルバーバードは、
いやいや。巨大なカラスに襲われた、全く信じられん参った、とレイヴン(大鴉)というアメリカンインディアンネームを私に贈ってくれました。
(ちなみに、シルバーバードは可愛らしいホオジロになって藁床に隠れていました。)

その時にメキシカンのクラウドは、レイヴンかな?
自分にはとても小柄なハヤブサ(ファルコン)に見えるなあ、でもなんだって良いんだ、役割を果たせれば。
そう言って私にウインクしました。

実はテストに入る前に、いきなりのシルバーバードの提案に困惑している私に、クラウドが助言をくれました。

「なんて課題だ、そんな事出来ないと思っているだろう?出来ない事を課題として与えられる事はない。今の考え方ではダメだ、という事だ。すべての感覚を開放して言葉にとらわれるな。しかし、なにかを見いだしたら逆に言葉で固定しろ。出来る出来ないではない、必要だから得るのだよ。私は雲になってあなたを導ける。しかしあなたは、いつか雲を抜けるだろう。その意味もきっとわかる、さあ五感と六感を解放して。」

クラウドは既にこの世にはいないのですが、そのときの優しい助言と、お茶目な笑顔は今でもありありと思い出せます。

最近、知ったのですがハヤブサは猛禽類ではなく、なんとインコの仲間だとか。
なんとなく納得するような、クラウドのネーミングは最高かな、と思いながらもインディアンネームはレイヴン、を使っています。