黒い箱。


私は動物が好きで(人間も動物であるのだけれど)、
動物たちそれぞれに、何らかの神性、聖なるものが宿っている気持ちになります。
ヒトは神の子、と言ったのはイエス・キリストだったかしら。
エキゾチックロングヘアのこたちゃん。
聖母マリアにみえると言ったら、
キリスト教徒さんから怒られてしまうかしら。

そのクライアントさんは遠隔地に住んでいらして、
わざわざ学芸大学までお越しくださった。
2回ほど、お会いしたことがある方で、
パートナーとご一緒に、ハイセンスな飲食業を営んでいらっしゃる。
久しぶりですね、とお互いに声をかけながら、
あら、でも随分と疲れているような感じ。

「鶴見さん。私、黒い箱に閉じ込められてしまうんです。」
(☉。☉)!
「黒い箱、ですか?その中にあなたが?」
「そうなんです。最初はもう少し大きい箱だったような。
あ、気持ちが、なんですけれど。
本当に黒い箱、そのものは無いんだと思います。
でも、黒い箱に押し込められていく気持ちになるんです。」

はいはい。良くわかります。
実は、何人かのクライアントさんとのセッション時に、
同様の話は聞いております。
黒くて、中も黒くて、蓋が閉まる箱のですよね?

「そうなんです!そんな箱です。
その、黒い箱の中にね。入りたくは無いんです。
でも、何でしょう、誰かに?なんでしょうか?
いつの間にか、箱の中に押し込められてしまうんです。
それで、出たくてもがくんですが。
出られないんです。」

うわー。それは、とてもとても大変な事態です。
かなり、あなたの「気持ち」、心というのでしょうか。
限界状態です。臨界点です。
今まで良く頑張りました、
でも、ごめんなさい、精神的にかなり危ない状態です。
これ以上、我慢をしてはならない状態です!

カードを繰りながら現状をみてみる。
あ、あなたの夫、御主人様の態度が超キツイですね。
言葉の暴力。これは強い強いストレスですし、
このストレスが心、魂を破壊していくのです。
人は皆、尊厳を持っています。
本来尊厳は、何より守られなくてはなりません。

「主人は外ヅラが良いので、誰もわかってはくれません。
私は、怖いんです。
日に日に、その黒い箱が狭く、小さくなっていくんです。
いつか、黒い箱につぶされるのでは、と
とてもとても怖いんです。」

ああ、それは危ない!
ごめんなさい、末期症状に近付いてきてしまっています。
なんとかしなければ。
具体的にどのようにしていけば良いか、
カードを繰りながら内容を詰め、可能性を引き出していきます。

私ね、見たことがあるんですよ。
同じような症状の人の、まさに、箱が潰れる瞬間。
その人は、
心配する人たちに囲まれる中で、
誰もその人には触れていないのに、頭を抱えて
助けて、そんな小さな箱に入れないで、
そんな黒い箱、小さすぎて入れるはずがない、
ああ、入れないで、助けて、入りたくない、
いやだいやだ、入るのはいやだ、

そして断末魔のような凄まじい絶叫を残して、
次の瞬間からその人は、完全に寝たきりの廃人になりました。
その声を私は聞きました。
絶叫する顔も身近で見ました。
一生、忘れられないその場面。

大丈夫、きっと黒い箱はこれからは、現れて来ないから。
そうお話しつつ、一日も早く、状況が改善していく事を祈る思いでおります。

黒い箱。
入らないように、どうぞ皆さま、お気をつけて。