1日早く目が覚めて。


確かに明日が啓蟄ではありますが、1日早く。

夜になって、小さな小さな庭から、
「ぽんぽん。ぽんぽんぽんぽん。」
という素朴な鳴き声。
そっと見に行ったら、冬眠から起きていました。
我が家のがまがえる。

いや、正確にはうちで飼っているわけではありません。
でも、何年か前に、このメダカの鉢で産まれたおたまじゃくしの中の生き残り。
凄まじい食料ピラミッドの底辺を生き延びた仔たちか、毎年、産まれ故郷のこの鉢で卵を産むのです。

明後日から寒いらしいので、産んだ卵は別鉢に移し、冷えから守らなくてはなりません。
また、これからも何回かに分けて、後発部隊の産卵が始まります。
寒天状態の卵を上手く産めなくて、引きずって歩いている若いメスは捕まえて、卵を引き出して鉢に入れなくては干からびてしまいます。

この時期、私はさしずめ、がまがえるの産婆役。
でも梅雨前の湿った夕方に、
小豆大に育った仔カエルたちが、
(がまがえるの子供はとても小さく、小豆大です。)
オレハイクゼ。オレハイクンダゼ。
と、せっせと鉢をよじ登り、葉陰にぴょんっ、と巣立っていくのを見るまでは、
ヤゴとも戦い、舅の農薬散布とも戦います。

がまがえるが居る家は、
地震で倒壊しないと古来から言われているんですよ。