真夜中の丑三つ時。
家人は皆、寝静まり。
犬は既にケージの中で眠っている。
静かな時間。
この時間は、私ひとり、ゆっくり出来る時間。
入浴前にトイレに入ったら、
ゆっくりと、音もなくわずかにドアが開いていく。
そして、隙間から見える毛むくじゃらの白い手…
「かあちゃん。ここに居たのね。暇そうね。」
あおちゃんに、見付かってしまった…
あおちゃんは、無理矢理に身体をドアの隙間に入れ込み、
反動をつけてドアを全開させ、私の脛で爪をとぎ、
ゴロゴロとご機嫌に噛み付いてくる。
そう、かわいいお顔のあおちゃんは、実は噛み猫。
そして、今夜も私は、
愛とは痛みを伴うものと、
トイレから出られずに知る事になる…