恋か執着か。

とても美しい、青一色のアサガオ。
「ノアサガオ」、琉球アサガオとも言うそうで、
「オーシャンブルー」という素敵な別名もあります。
強健な植物で、十数メートルもつるを伸ばし、
11月まで房状に咲き続けるそうです。
その強さと、インパクトある深い青が
凛として、呼応しているような。

お顔立ちが綺麗、もしくは可愛らしくて
スタイルも充分に素敵、女性らしい曲線。
ファッションにもこだわりがあり、
華やかな雰囲気なのに、
「私、男運が無いのでしょうか。
余り恋愛がうまくいったコトがなくて。」
と仰るクライアントさんは少なくないです。

男運、女運という言葉を聞くたびに、
対人運、というのとはニュアンスがやはり違うとは思いつつ
そういう「運」とは、果たして本当に存在するのかしら、
と思ってしまいます。
それは運、というより
その人の「執着」が起因している状況、ではないかしら、と。

とてもキレイかわいいクライアントさんがいて。
まだ若く、魅力的なのでモテる。ナンパもされる。
熱心に、挫ける事なく口説き続けた人と
とりあえずお付き合いしようかという話になる。でも
割と早々にやはり、お付き合いしたくない、と断る。
つまらないヒトだった。私、男運無いのかしら。
とため息をつく。

ムゲにフラレる形になった元カレはしばらくは苦しみ、嘆き、
でもそのうちに仕方ない、他の女性とお付き合いしよう、
となる。
そして、元カレに新しい彼女さんが出来る。
そのうちに、
風の噂に、フッた彼に新しい彼女さんが出来たと聞いた
キレイかわいい彼女は、
自分がフッた相手に猛烈アタックを開始する。
一日に何回も
LINEやメールなど、いろいろな手段で
新しい彼女は良くない人、だから彼女とは別れて
私とまた付き合えば良いじゃない?と口説く。口説く。

でも、
元カレは新しい彼女さんに悪いから、と拒否する。
それでも彼女は元カレにLINEする。
良く考えて。
私が戻ると言っているのよ。また付き合えるのよ。

え?
お話を聞いていて、すみません、
私、何が何だかわかりません。
元カレとまた、お付き合いしたいのですか?

いえ、そういうわけじゃあ無いの。
なんだか許せないの、
私の事を一番誰よりも好きだと言っていたのに。
もう新しい彼女さんを作るなんて。
だから、もう一度振り向かせて、
そしたら今度こそ、徹底的にフルの。
立ち直れないくらい。
それが、私を傷付けた代償。

…何が彼女を、ここまで、 
執着に向かわせているのだろうか。
彼女の記憶は、どこですり替えられているのだろうか。

その後も彼女は何回も元カレにアプローチしたけれど
遂に元カレにブロックされる。
男運が悪い、と嘆く彼女は
どんどん暗い顔付きになっていく。
身体も不調になり、寝込んだりする。

思い通りに行かないことが
プライドを傷付けるのか、暴走する強さが
自らの運を破壊していくのに。

男運、女運。
何年この仕事をしていても、私にはわからない。
そのようなコトバをあまり、使いたくは無い。