コバルトブルー。

コバルトブルーの海。
水平線は霞がかかり、空の青と一緒になり。
小樽から眺める日本海です。
日本海は演歌の題材になりやすいせいか、
鉛色の海、哀しみ、女が一人、みたいなイメージ、
いや、固定観念を持ってしまっていましたが。
なんと綺麗なあお。


左側に見えるのは小樽水族館。
遠くまで海獣の吼え声が響きます。
でも、あくまでも美しいあお。

小樽水族館の傍に、ニシン御殿があります。
明治時代、一大産業となったニシン漁。
ニシン長者が続々とうまれ、
しかし、乱獲でニシンは急に獲れなくなり、
あっという間にニシン漁は衰退、
ニシン御殿は廃墟になりました。
ここにも、栄枯盛衰が。
全盛の頃は、誰もニシンが来なくなるとは思わなかった事でしょう。
予定は未定。
何も、ヒトの思うようにはならないのですね。
富と金に満ち満ちて、笑って暮らせる保障は、
太古の昔からあり得ないのかもしれません。

御殿内に陳列された芸術作品の数々の中で、
この焼き杉の大蟇が一番、生き生きとしていたかも。
蟇は東洋では富の象徴、金の守り神。
西洋では悪魔の化身、使い魔。
ここまで東西文化で立ち位置が違う生き物も
珍しいかもしれません。

館内には、「インスタ映え」する為の小道具も準備され、
私はインスタしていませんが、ちょっとポーズ。

びっくりするほど、天井が高い木造建築。
こちらのニシン御殿は総建築費が
当時(大正後期)の価格で31万円。
同じ時代に、新宿で大型百貨店の建設費が50万円
だったそうなので、その豪奢ぶりか伺えます。

こちらの近くには、鉄道ファン大垂涎の、
ラッセル車など名車両を陳列する博物館があります。
栄枯盛衰、今は使われず眠りにつく車両たち。

日本海は美しいコバルトブルーのあおでも、
栄枯盛衰の哀しさが似合うのかもしれません。