顔に出る。

「……私、タロットカードを読む事は出来ないんですが、
鶴見さんの顔は読む事が出来るとわかりました。」

クライアントさんが、私の顔を凝視して仰る。
え?
私の顔を、ですか?

「ええ、鶴見さんの顔を見ていたら、カードの結果が良いのか悪いのか、直ぐにわかります。
話している内容と、表情のシビアさがちぐはぐな時もたまに、ありますが。
そういう場合は、表情のほうが真実かなあ、と。」

………そ、そうでしたか。
この職業は多分、ポーカーフェイスのほうが良いとは思うのですが。
顔に出てしまうタイプのようです、私。
だから、お面を着けて仕事したほうが良いですね、きっと。

今日、おみえになったクライアントさんが
おかめのお面を持ってきてくださいました。
早速、着けてみる。

うーん。
実に、似合うじゃないですか。
既に同化しています。
昔から、仮面はシャーマニズムには欠かせないものですが、
これはやはり、メタモルホフォーシスですね。
おかめのお面は、おめでたいけれど
やはり、シビアな案件を抱えられたクライアントさんには、ちょっと失礼になりそうです。
妖しいお面を着けて、変にトランスしても困りますし。
来年も素顔で頑張るしかないですね。

頂き物のLEDライトのキャンドルライト。
ちゃんと、炎が揺れて、ニュアンスあります。
今日はクリスマス。
皆様に祝福が訪れますように。