ある特殊なケース。


学芸大学オフィスの窓シール。

今日みえたクライアントさん。
綺麗なお顔立ちに見覚えはあり、でもひょっとしたら、かなり久し振りですか?

「10年前にハワイに嫁ぐ前に大変お世話になりました。お陰様で、夫と仲良く暮らしています。」
ああ、そうでしたね。
確か、まだ彼と出会っていない時にリーディング結果で、
結婚相手は外人みたいだけどハーフではなく、日本人っぽいんだけど日本人じゃない人、なんて
「ドリトル先生アフリカ行き」に出てくるオシツオサレツ、みたいな謎の表現になったんですよね。

「はい、夫は日系三世のハワイアン、日本人だけどアメリカ国籍で日本語話せないけど純粋な日本人で。」
いやー、謎でしたよね、とひとしきり思い出話を。
それで、今日はハワイからわざわざ?

「はい、私は幼い頃からずっと、太平洋戦争の事が気になっていて。本当にずっと、異常なくらいに。もう、人生も半世紀過ぎた今、その理由を知り、自分がすべき事をきちんと知りたくなりました。」
そうですか。大変難しく、デリケートな問題ですね。
「私は、太平洋戦争に何か縁があるものが憑依しているのでしょうか。それとも、前世の記憶?」

♪君の前前前世から僕は 君を探しはじめたよそのぶきっちょな笑い方をめがけて やってきたんだよ 君が全然全部なくなって チリヂリになったって もう迷わない1から探し始めるさ むしろ0からまた宇宙を始めてみようか♪

いや、どうでしょうか。とりあえず、リーディングしてみましょう。
正直申し上げますと、私は戦争に関するリーディングは避けたいのです。
でも、今回はしなくてはならないように思いますので、特別に致しますね。

おや、これは大変珍しいケースのようです。
憑依でも前世でもないようです。
説明しにくいのですが、2体もしくは3体の魂が、あなたの魂と融合同化してしまったようです。
私は実は、魂にもDNAがあると考えているのですが、
その魂の二重螺旋の一本はあなた、もう一本はあなたではない2体もしくは3体の魂が絡み合っている、そんな感じです。

「あの。その一体とは、若いですか?船に関係は?」
「うーん。年齢は19才くらいで若い、沈んだ戦艦?に乗っていた、うーんと、ひりゅう?」
「ひりゅう、ですか?それならば!」
「ミッドウエー海戦!ひりゅうとはあの悲運の空母、飛龍ですね!」

余り知らない単語が当たり前に飛び交い、私たちは頭を抱えつつ、リーディングを進めて。
クライアントさんには特殊な単語が非常に響き、ある種の記憶的なものが生じてくる。
しかし、ある程度にてリーディングは一旦停止。
クライアントさんに必要なのは、過去に戻りその時間を迎える事ではない。
今をどう生きていくのかを知る、それが今日のリーディングの目的だから。

そして、ゆっくりと今の自分を再認識し、
出来る事から少しずつ、考えていきましょう。
ということで、今日のリーディングは終了。
ふう。この種類のリーディング、やはりかなり消耗します。

私たちの心にはきっと、たくさんの窓があるけれど、
どの窓にもきっと、別の光景が拡がっているはずだけれど、開けていく為だけに、窓があるわけではない。
開けなくて良い窓もある。きっと。
でも、悲しい光景の窓が開いてしまったら
明るい昼の窓ではなく、深い闇の窓を開けて、吸い込ませてしまえば良いのだから。

♪キミのぜんぜんぜんせからボクはキミをさがしはじめたよ………♪