「禅問答」

私はシャーマン兼務のタロットリーダーではありますが、
宗教家でも霊媒でも魔女でもありません。
ただ職業柄、いろいろな捉え方をされる場合が多く、確かに対処は事例により千差万別なのでクライアントさんにより、感じ方もまた、千差万別になるようです。
そんなわけで、リーディングの現場では時に、禅問答的な会話展開になったりします。

Aさん。
「あなたには何が見えるんですか、何でも見えるんですか、僕の未来は薔薇色ですか。」
私。
「私には目の前のタロットカードとあなたが見えています。」
Aさん。
「だから例えば。僕の後ろに不動明王がいて守っているとか。」
私。
「私は目に見えるものは信じないんです。視力は脳内の智識に影響されます。私の智識が及ばないものは認識されなかったり、ねじ曲げられたりするでしょう。それをあなたに伝える必要を感じません。」
Aさん。
「うーん。じゃあ、僕の後ろには何もいないんですか?」
私。
「お客様はタロットリーディングをなさりにいらしたのではないんですか?」
Aさん。
「だって、そういうのが見えないと未来は見えないでしょ?」
私。
「少なくとも、薔薇色の未来という、ハイパーファジーなものは見えないですね。あなたは幻覚の未来が欲しいんですか?」
Aさん。
「だからあ。僕は見て欲しいわけ、自分の未来を。成功していれば薔薇色なわけよ、普通は。」
私。
「はい、タロットでリーディングしますよ。未来だけではなく、過去からカルマから、何もかも。勿論、佳き事も悪しき事も。それらは、変えていく事が出来る場合もありますし、変えられない場合もあります。それでは、始めましょうか。」
Aさん。
「ちょっと待ってちょっと待って。僕に悪しき事はないはずなんだ、薔薇色のはずなんだ。ねえ、薔薇色って言って下さいよ、オーラは金色だって言って下さいよ!」
私。
「さて。みんなリーディングしましょう。始めましょうか。」
Aさん。
「だから、薔薇色の未来がああああ…」

毎日、勉強させて頂いております。
私は宗教家ではないので、説教はしません。
辛抱強く聞いたりもしません、時間内にリーディングを致します。

8月8日、満月。

クライアントさまが送信してくださった、札幌の満月です。幽玄ですね。

今日の満月は部分月食もあり、意味合い深い満月、なんだそうです。インターネットを開くと、占星術的、天文学的、スピリチュアル的、様々な解説が成されていて感心しますし、よし、特別な満月ならば気合い入れてお願いしてみようか、と思う方もいるでしょう。

私は幼い頃に、お月様の事を「のの様」と呼ぶのよ、と教えてもらった事があります。

「のの様を見たら手を合わせて深くお礼をしなさいね。そして、のの様、のの様。これからもお教え・お導き・お見守り下さい、と心から唱えるのですよ。」

それを教えてくれたのは私は母だと思っていたのですが、後日、母はお月様をのの様と呼ぶなんて知らない、と言っていましたのでそれを言ったのは誰だったのか。今は記憶が曖昧で思い出せないのですが、とても大切な事を教えてもらった、と幼心に感じた事は今でも、覚えています。

敬うものに、願いの合理性を預けて希望を連ねるより、真摯に手を合わせて御礼を伝えたい。

そこに、アニミズム上の重要な認識、「畏怖と畏敬」が自然に含まれてくる。

私はそのように思います。

今日の満月にも、手を合わせながら。