野生の思考

 

あっという間に3月。春らしい陽気の日も増えてきました(^^)

コロナウイルスなど心配なことも多いですが、皆さま無事にお過ごしでしょうか。

食後のぺろり。むーも元気です。

 

最近『野生の思考』という本を読んでいます。

私はNHKの「100分de名著」という番組が大好きなのですが、そちらで紹介されていて気になっていました。

 

著者のレヴィ=ストロースは、アメリカ先住民の神話研究を中心に行った、フランスの民俗学者です。

個人的に特に印象的だったのが、「呪術も科学も考え方は同じ、対象が違うだけ」という見解。

たしかに、例えば天文学者として有名なケプラーも元々は占星術家として活躍していました。

 

未来のことが不安になったり、自分でどう進んでいいかわからなくなった時。見えない、でも偉大な何かに頼りたくなる。当たり前のことだと思います。

それが目に見えるもの、理論が証明されているもの(科学)なら正しくて、目に見えない、理由もわからないものは信用できない、信じる人を馬鹿にする風潮は間違っていると常々思っていたので、「理性的な学者でもこういう考えの人もいるんだ」と驚きでした。

自分を知る、明日をより良くする一助として、占星術やタロットリーディングがより認知されるといいなと心から思います。

 

少しだけ内容を。

ストロースは自然から少数要素を取り出して構造を作る、という「構造主義」を提唱しました。

アメリカのヒダツァ族は、鷲を狩る際うさぎの肉と血で鷲を引きつけ、食べ始めたところを捕まえます。(神聖な動物のため、矢で射るなど血を流す狩りは禁じられていたそうです)

その際、生理中の女性も参加させます。経血がうさぎの血を象徴し、獲物と人間に共通項を作ることで近づける。それによって狩りがうまく行くと考えられたそうです。

日本でも姿、形を似せて依代にするなど、同じような発想がありますよね。

 

アメリカ先住民の家に描かれるマークや日本の暖簾などは、人間社会の分類を自然界のそれに当てはめている、というのも印象的でした。(梟だと夜目が効く、的に矢が当たっていると狩りの腕が良いなど)

名簿や戸籍以上に情報が詰まっている、昔の方が上手に棲み分けや発信をしていたんだなと驚きます。

 

ストロースは、 「日本は近代国家なのにうまく野生の思考が調和して残っている」と大の日本好きだったようです。

便利な反面、画一的、システマチックに整理された社会を目指すことで、大事な何かを失っているのではないかと少し寂しくなりました。

 

最近は1、2ページ読むだけで瞼がくっついてしまうのですが涙、、ゆっくり読了を目指したいと思います(^^)